ビジネスシーンで、はじめて会った人に対して行う名刺交換もお互いの「自己紹介」の1つ。名刺交換は、第一印象になります。
この記事では、お相手と1対1の時や、上司なども交じえ多人数の時にそれぞれどう名刺を渡し・受け取るべきかのマナーを具体的に解説し、よくあるトラブルの際にも慌てずに済む対処方法もお教えします。
正しい方法とマナーを覚えて、相手に好印象をもってもらえるようにしましょう。もうすぐ社会人なられる方、また、「今さら聞けないけど知りたい」という方も参考にしていただければと思います。
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「どういうタイミングで渡せばいいんだろう……」と一度はモヤモヤした方も多いのではないでしょうか。どの業種でもビジネスの場面でよくみられる名刺交換。次に例を挙げるのは、自分が訪問先へ行った際の名刺の渡し方と受け取り方です。1対1の場合と、複数人での会合の場合のそれぞれについて流れを具体的に解説し、マナーやポイントも合わせてご紹介します。
名刺を直接手渡しする場合は、角が折れていない、綺麗な名刺を用意しましょう。事前に胸ポケットやカバンの取り出しやすい位置に名刺入れを入れておき、いつでも渡せるように準備をしておきます。
【ポイント】交換するタイミングが相手と重なり、同時に名刺を向けている場合は、お互いが片手で名刺を差し出し、もう片方の手で受け取ります。受け取った名刺は、胸の高さより下で持ったり、名刺入れの下に置いたりしないように注意します。
3人以上で名刺交換をすることになった時はどうすればいいのでしょうか? 複数人で名刺をやり取りする場合、まずは名刺を数枚取り出しておき、手間取らないように準備をしておきます。名刺交換は上の立場の人から下の立場の人へ順番に渡します。
もらった名刺はテーブルに並べます。
並び順は、相手の座席に対比させる形で横並びに置くと、会議や打ち合わせ中の間違いを防ぐことができます。たくさん人がいて、名刺が並びきらない場合は、上位の人の名刺を一番上に置き、他の名刺は名刺入れの上に置きます。「失礼します」と一言声をかけておくと良いと思います。
打ち合わせが終わり、いただいた名刺を名刺入れにしまう時、「頂戴いたします。」と一言お伝えすると丁寧です。ビジネスシーンではこれを言わない方も多いので、他の人とは一味違った心遣いを見せるチャンスです。
名刺がなくても希望はあります! 名刺交換の際によくあるトラブルと、その対処方法をご紹介します! まずは焦らず、落ち着いて対応することが肝心。ぜひ参考にしてみてください。
うっかり補充を忘れて、名刺交換の場で気がつくことはよくあることです。その場合、相手に「名刺がありません」や「名刺を忘れました」と伝えるのではなく、慌てず「申し訳ございません、ただいま名刺を切らしておりまして」と伝えましょう。後日、お詫びの手紙を添えて郵送で送ります。
仕事の業種によっては名刺が必要ない、また入社したばかりで名刺が用意されていないなど、名刺をもらっていない方もいらっしゃるのではないでしょうか? その場合、「自分だけが持っていない……」と肩を落とす必要はありません。この場合は正直に相手に伝えても大丈夫です。
後でメールを送り、お礼と一緒に連絡先をお伝えすると良いと思います。今後も、名刺が必要な場合は上司に相談しましょう。
【ポイント】名刺がない場合のマナーですが、相手の方がいる前では、聞いた住所や電話番号などの情報を受け取った名刺の裏に書かないようにしましょう。
「財布に入れたままで名刺入れがない」、「そもそも渡す機会が少ないから持っていない」という場合もありますよね。しかし、マナーとしては財布から取り出したり、素のままでお渡ししたりするのはなるべく控えましょう。対処法として下記をご紹介します。
本来は、はじめに会った時に挨拶と同時に名刺交換を行うのがマナーなのですが、そのまま話の本題に入ってしまったり、慌ただしい場面でタイミングを逃してしまったりなど、よくあることだと思います。その場合は、会議や打ち合わせが解散する直前に一声かけても良いと思います。
名刺はあくまで個人情報なので、気配りや配慮は必要です。無理のないように声をかけましょう。
名刺交換でいただいた名刺は、専用の名刺フォルダーへ入れて振り返れるように管理するのがおすすめです。受け取った名刺の数だけ、人に会ったということ。自分だけではなく、会社の情報としても価値があるものです。しっかり整頓して保管をしておきましょう。
以前から付き合いのあった人が転職や昇進をした時に新しく名刺をもらった場合にも、古い名刺は残しておいた方が良いと思います。後で調べて役に立つことも多くあります。古い名刺の上に新しくもらったものを入れて保存しておくのがおすすめです。
ビジネスシーンで多く名刺をやり取りしますが、会える機会が少ないと、なかなか相手の顔を覚えておくことは難しいものです。名刺をもらい、オフィスに戻った後、名刺の裏に書いて、情報を残しておくのがおすすめです。書いておく内容としては、
消せるように鉛筆やシャープペンシルで書きます。既に会ったことがある人にまた名刺をもらってしまうことを防止する意味でも役立ちます。名刺を正しく管理しておくことで、名刺交換の時だけにとどまらず失礼のないマナーある対応ができるのです。
新型コロナウイルス流行に伴い、直接会って話をする機会が減少しました。そのかわりに、オンラインを使う機会は増え、同時に名刺交換の方法も変わってきています。今後、役立つツールの一部をご紹介します。
「オンライン名刺ってなに?」という方も多いのではないでしょうか。web名刺とも言われていますが、紙を使わず、デジタル化された名刺のことです。オンラインで会議や打ち合わせをするようになり、名刺交換も直接会って交換ができなくなりました。オンライン名刺はその代わりになり、インターネットを使った幅広い活用ができることが特徴です。便利なツールを3つご紹介します。
個人向けのビジネスにピッタリ。スマートフォンで名刺を撮影し必要事項を入力するだけで名刺が完成します。エイト同士でつながれば転職や昇進など最新の情報が通知で届くようになります。
法人向けのビジネスにピッタリ。スキャナーやスマートフォンで読み込むことでデータベースができ、社内で大活躍します。すぐに検索ができるうえ、ペーパーレスになるので大量の名刺に悩んでいる企業におすすめです。
LINEが提供する名刺管理アプリ。名刺を撮影し、トークで共有できます。仕事でLineアカウントを使ったやり取りをしている方におすすめです。
オンライン名刺の一番大きな利点は、URLやQRを相手へ送るだけで名刺交換ができること。そのため、離れた相手との名刺交換ができ、便利です。ZOOMなどオンラインで名刺交換をしたい場合は、こういったツールを活用し、背景にQRを貼り付ければ直接会わなくてもやり取りができます。
「対面しないなら、名刺交換のマナーは必要ない?」確かに、対面をして渡す際のさまざまなマナーは必要ありません。とはいえ、オンライン名刺にも別の問題やマナーが必要になっています。
インターネットを利用しSNSなどの活用ができて便利ですが、特にお互いの個人情報の管理は今後の大きな課題になるのではないかと感じています。画期的なオンライン名刺ですが、相手へのマナーと正しい使いこなしは必要です。失礼のない気配りを心掛けましょう。
戦国時代のはじめまで、武士は戦の前に敵や味方に向かい合い「やあやあ、我こそは~」と、名乗りをあげて自己紹介をしていたそうです。いかにも律儀で礼儀正しい日本人ならではと感じますが、現代でもその要素は少なからずあります。失敗しても刀で切られるわけではありませんが、やはり名刺交換で与える第一印象は侮れません。
直接会っても会えなくても、名刺交換をすること自体がビジネスマナーとして欠かせないものです。良いビジネスをするためにはまず、自分を知ってもらうことから。まずは名刺交換をして自己紹介をしてみませんか? 名刺がきっかけで、お互いの緊張がほぐれたり、会話のきっかけになったりすることがあります。ビジネスマナーを心掛けて、より良い関係を築いてください。