【社会人の基礎】誤った言葉遣いを直す方法とは?正しい言葉遣いで評価をアップ!

社会人として働き始めると、業務のスキルはもちろん相応のコミュニケーション能力が求められることになります。今回の記事では、社会人の基礎でありビジネスコミュニケーションの基盤である正しい言葉遣いについて解説します。

「社会経験が浅いので正しい敬語を使えているか自信がない」「言葉遣いで怒られてしまったことがある」という方に向けたコミュニケーションコラムです。思い当たる方はぜひご覧ください。

誤った言葉遣いを直す方法【結論:正しい言葉遣いを知ること】

誤った言葉遣いになってしまう原因は、多くの場合正しい言葉遣いを理解できていないことにあります。つまり、誤った言葉遣いを直すための方法は正しい言葉遣いを理解することだと言えます。

上司や取引先の関係次第で砕けた表現が使われることもありますが、それでも絶対に外してはいけないポイントがあります。この項ではビジネスの基本である敬語の基礎中の基礎とも言える「丁寧語」「尊敬語」「謙譲語」について解説します。

丁寧語:「ですます」「お~、ご~」

敬語と聞いて、多くの人が連想するのが「丁寧語(ていねいご)」でしょう。丁寧語を辞書で引くと「聞き手に敬意を表して、丁寧に言うときの言い方」とあります。丁寧語は立場の上下に関係なく、相手に丁寧な態度で接する時に使われる言葉です。

具体的には、以下のような言葉遣いを指します。

  • 「~です」「~ます」「~ございます」を語尾にする
  • 言葉の頭に「お~(お話)」「ご~(ご親切)」をつける(接頭辞)

基礎的な敬語区分ですので、もはや解説の必要はないかも知れません。この基本ルールを守るだけで、最低限の言葉遣いはできていると言えます。

尊敬語:相手の所作に敬意を払う言い方

敬語区分の2つ目が「尊敬語(そんけいご)」です。尊敬語とは文字通り相手に尊敬表現をするときの表現で、主に立場が上の方の所作(行動)に対して使います
ビジネスシーンで特によく使われる尊敬語には以下のようなものがあります。

  • おっしゃる(言う)
  • いらっしゃる(来る)
  • 召し上がる(食べる)
  • お掛けになる(座る)
  • ご存知(知る)
  • ご覧になる(見る)

「お食べになる」「お座りになる」などという誤用や、自分に尊敬語を使ってしまう(私もその情報はご存知です、など)がありがちなミスですので気をつけましょう。

ポイントは尊敬語は相手に使う敬語表現であるという点です。

謙譲語:相手を立てるためのへりくだった言い方

敬語区分の3つ目が「謙譲語(けんじょうご)」です。前項で紹介した尊敬語と同じく立場が上の方に対して使う表現ですが、自分の所作(行動)をへりくだった言い方をする点が異なります。
例えば、ビジネスシーンでよく使われる謙譲語には以下のようなものがあります。

  • 申し上げる(言う)
  • 伺う(来る)
  • いただく(食べる)
  • 存じる、存じ上げる(知る)
  • 拝見する(見る)

「なんなりと申し上げてください」「どうぞ拝見してください」などという言い方は、悪意がなくても相手に大変失礼な言い方です。謙譲語は自分を下げることで相手を立てる敬語表現です。謙譲語は絶対に相手に使ってはいけません

「丁寧語」「尊敬語」「謙譲語」を正しく使いこなせている人は意外と多くありません。正しい敬語表現を身につけることは評価をアップさせるための基盤を作ることに直結します。正しい言葉遣いを目指す方は、まずこの3区分の表現を学んでみてはいかがでしょうか?

ビジネスシーンでの定形表現

ビジネス敬語で失敗しないためには正しい言葉遣いを知ることが重要である、ということは冒頭でお伝えしました。この項では、ビジネスシーンでよく聞く表現=定形表現をご紹介しますので、復習も兼ねて正しい言葉遣いができているか確認してみましょう。

自分や相手の呼び方

電話対応など他社とのやり取りの際に、自分や相手、またそれぞれの所属する組織を表す言葉が多く使われます。最も基礎的なものに以下があります。

  • わたくし(わたし、ぼくなどの自分自身を指す一人称)
  • わたくしども(わたしたちなどの自分たちを指す複数の一人称)
  • 弊社、当社(自分の所属する会社)
  • 御社、貴社(相手の所属する会社)

また、定形表現として「社外の相手に対し上司を呼ぶ場合は役職呼びはせず、呼び捨てで紹介する」というものがあります。例えば取引先から電話で「営業部の山田部長に取り次いでほしい」と言われたとします。復唱する際は「弊社の山田部長ですね」ではなく「弊社営業部の山田ですね」とするのがビジネス上の正しい表現です。

同様に、自分の家族の話をする時には尊敬語は使わず、自分と同じように謙譲語で紹介します。
「自分のお父さんが社長の書いた本を読んだと言っていた」と社長に伝える場合を考えてみましょう。「ぼくのお父さんが社長の書いた本を好きだと仰っていました」とはせず「私の父も社長がご執筆された本を拝読したと申しておりました」というような表現をします。自分の上司や親を低く扱うような敬語表現に少し混乱するかも知れませんが、身内は自分と同じ立場として扱うと覚えましょう。

挨拶や返事の定例表現

続いて、ビジネスシーンでよく使われる挨拶や返事の定例表現を確認しましょう。

  • お疲れ様です(社内の人への労いの挨拶)
  • お世話になっております。(社外の人への挨拶)
  • かしこまりました、承知しました(わかりました)
  • 申し訳ございません(すみません)
  • ~致しかねます(できません)
  • ~して頂けませんか(何かをお願いするとき)

特によく言われるのは「お疲れ様です」と「ご苦労様です」という挨拶についてです。上司や取引など目上の人に「ご苦労様」は禁句だと言われていますが、そもそも社内でも基本的に使わない表現です。誤用を防ぐ意味でも、挨拶の定形表現は「お疲れ様です」ひとつだと覚えてしまうことをおすすめします。(立場が下の人に使ったとしても失礼ではありません)

また、話を聞く時のマナーとして「相槌は一回だけ」(はいはい、と頷かないこと)、「なるほどですね/参考にします」は使わないということは覚えておきましょう。親しみやすい雰囲気の取引先や年齢の近い先輩や上司と話す時に、つい砕けた表現が出てしまうこともありますよね。プライベートで話すまでの関係性ができている場合を除き、少なくともビジネスの現場においては正確な言葉遣いや失礼のない態度で接することを常に心がけましょう。もちろん、後輩や部下ができたときも同様です。呼び捨てや「~ちゃん(くん)」という呼び方、タメ口での指示などがハラスメントとして指摘されるケースも珍しくありません。

クッション言葉

定形表現のひとつに「クッション言葉」というものがあります。これは、言いづらいことを伝えなくてはいけない場合や反対意見を伝えるときなどに使われる表現です。
代表的なクッション言葉には、以下のようなものがあります。

  • 失礼ですが~
  • 恐れ入りますが~
  • お手数ですが~
  • 恐縮でございますが~
  • あいにくですが~
  • 申し訳ございませんが~

この項では次のような場合を想定し、実際にどのような対応・言い方をするべきか考えてみましょう。

  1. 他社の方が「山田部長と話したい」と訪ねてきた。社名とお名前を伺いたい
  2. 「山田部長は会議中のため話すことができない」旨を伝える
  3. 「次回以降はアポをとった上で来訪してほしい」旨を伝える
  4. ※名刺を渡すなどの動作は省き、言葉遣いだけを考えます

1の場合、「社名とお名前をお伺いできますか?」でも不正解ではありませんが、少し冷たく疑っているような印象を相手に与えてしまいますよね。この場合は自分の名前を伝えた上で「恐れ入りますが(失礼ですが)社名とお名前をお伺いできますか?」という言い方をすることで印象が穏やかになり、相手も答えやすくなりますね。

2は相手の申し出を断る必要があるため特に伝え方が重要です。「山田は会議中なので会うことはできません」という言い方は相手を突き放すような印象を与えるためビジネスシーンには相応しくありません。「あいにくですが現在山田は席を外しており、お会いすることができかねます」という伝え方で、相手の心情を汲みつつ丁寧に断りましょう。

3は今後の対応について相手にお願いする場面です。「次回からはアポを取ってから来てください」は1~2と同じくかなり冷たい印象ですよね。この場合は「せっかくご足労頂いたところ申し訳ございませんが(お手数をおかけするようで恐縮でございますが)、次回以降のご訪問の際はアポを取っていただけませんか?(いただくようにお願い致します)」というように、相手に手間をかけさせることをお詫びした上で、対応をお願いしましょう。

同じことを伝えているのに、言葉1つで印象はガラッと変わります。クッション言葉はビジネスシーンでは欠かせない表現ですので、ぜひマスターしましょう。

まとめ

ここまでの内容を、簡単におさらいしましょう!

ビジネス敬語を正しく使うために

敬語には、ですます調の「丁寧語」、相手を立てる「尊敬語」、自分がへりくだる「謙譲語」という3つの区分があります。これらを正しく使いこなすことが、社会人としての言葉遣いの基礎となります。その他の定形表現やクッション言葉なども頭では分かっているのに失敗してしまうこともあでしょう。正しい言葉遣いを身につけるために実際に声に出して読んでみることをおすすめします。また、上司や先輩がどのような言い方をしているのか注意深く聞いてみるのもよいでしょう。その中で自分の言葉遣いの誤りに気付くこともあるからです。

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敬語は一朝一夕で身につくものではないため、自信が持てず話すことが怖くなっている人もいるのではないでしょうか。知識を身につけると話す前に考える時間が増え、なかなか言葉が見つからないということもあると思います。正しい言葉遣いを身につけるための一番早い方法はトライアンドエラーを繰り返すことですが、ビジネスの現場ではなかなかそうもできませんよね。「正しい言葉遣いで相手からデキる人だと思われたい」と考えている人は、プロの講師の指導を受けてみてはいかがでしょうか。

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