報連相のコツとポイント【社会人の基本スキルで評価アップ!】

報連相のコツやポイントが知りたい」という若手の社会人は多いです。報連相とは「報告・連絡・相談」の頭文字を取った略称で、社会人の最も基本的かつ重要なスキルだと言われます。しかし、体系的に学ぶ機会があまりないため、苦手意識を持っている方も少なくありません。

そこで今回のコラムでは「上司に評価される報連相」をテーマに、報告・連絡・相談それぞれのコツとポイントを分かりやすく解説します。

報連相のコツをつかむための基本

報連相のコツ をつかむために、まずは報連相の基本について見ていきましょう。特に報連相の目的を明確に知ることが大切です。目的が明確になれば、なぜ「ビジネスの基礎」と言われるほどに報連相が重要なのかがわかり、自ずとコツも見えてきます。

報連相とは【単なる報告・連絡・相談ではない】

冒頭で述べましたが、報連相とは「報告・連絡・相談」それぞれの頭文字を取った略称のことです。そう聞くと、「報連相自体は知っている」と思う人が多いかもしれませんね。しかし、報連相は単なる報告や連絡、相談ではありません。ビジネスにおける報連相には、より明確な目的とそれに応じたコツがあるのです。

報連相の目的は、生産性を上げること

では報連相の目的は何かというと、ずばり「情報共有でチームの生産性を上げること」です。特定の情報を誰か一人が持っている状況と、全員が共有している状況、それぞれを想像してみてください。後者の方が、より正確に無駄なく仕事ができるであろうことは想像に難くないですよね。その「生産性を上げる」という大きな目的のもと、報連相それぞれに以下のような目的があります。

  • 「報告」⇒上司に正確な情報を伝えることで、より良い采配をしやすくする
  • 「連絡」⇒連絡を取り合うことで、チームの繋がりを強化し、共通認識を作る
  • 「相談」⇒不明点をその都度相談することで、対応の質を均一化する

このような目的で的確な報連相がなされれば、関係者が情報を共有して仕事をスムーズに進めたり、判断を仰ぐことでミスを未然に防いだりすることができるようになり、生産性が格段に上がります。組織で仕事をする上で、報連相による情報共有にはとても重要な役割があるのですね。

評価される報連相のポイント

生産性を上げるという視点で考えると、「評価される報連相のポイント」をこう言い表すことができます。

相手に伝わりやすい言い方で、正確に情報を伝達すること

逆に生産性を下げるのは、「言った/言わない」という問題が発生するような報連相のやり方です。前述の目的に沿って考えれば、そのような水掛け論には意味や生産性がないことがわかりますね。本当に大切なのは、相手(上司やチーム)に伝わったかどうかという点に集約されます。しかし気をつけていてもなお、チーム内でコミュニケーションが上手く取れなかったり、正しく伝わらずに誤解が生じる場合は往々にしてあるものです。人によって言葉の解釈に違いがありますが、それは同時に、相手との齟齬が生じにくい伝え方のスキルが必要になるということでもあります。

今回は基礎に立ち返り、良い報連相を行うためのコツについて一緒に考えていきましょう。ここからは「報告・連絡・相談」それぞれの具体的なコツと、実践する際に意識すべきポイントを解説します。

報連相の「報告」のコツ

報連相における「報告」のコツ についてみていきましょう。仕事における報告とは、前述の「報連相の目的」を加えて定義すると、生産性を上げるために部下が業務や作業の経過や結果を上司に伝えることだと言えます。そう考えた時、報連相における報告のコツは以下の2点に集約されます。

  • 結果や結論を先に伝える
  • 適切なタイミングで報告する

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

報告のコツ①「結果や結論を先に伝える」

報告の最大のコツは「結果や結論を先に伝えること」です。結論によってプロセスの重要度は変わります。結論を先に伝えれば無駄な情報の伝達や混乱を防ぐことができるほか、情報伝達の時間短縮にもなります。経緯や要因なども重要ですが、まずは結論を簡潔に伝え、上司が全体像を把握できるように報告するようにしましょう。

結論の分かりづらい報告や、何度も報告に行って上司の時間を無為に奪うことだけは避けましょう。事前に報告内容の起承転結などをメモしておくと簡潔な報告をしやすくなるのでオススメです。また、内容によってはメールやチャットでの報告も有効な手段です。内容が適切ならば「細かく報告をしすぎだ!」と怒られることはまずありませんので、仕事に慣れるまではこまめに報告をしましょう。

報告のコツ②「適切なタイミングで報告する」

報告のもう1つのコツは、「適切なタイミングで報告すること」です。報告の重要性が分かっていても「報告のタイミングがわからない」と感じている人は意外と多いようです。ビジネスにおいて報告すべき適切なタイミングとして、大きく次の4つが挙げられます。

  • もらった仕事を完遂したとき
  • もらった仕事が期日までに間に合いそうにないとき
  • 長期間(数日~数ヶ月)にわたる仕事や作業を受注したとき(定期的に進捗を報告する)
  • トラブルやイレギュラーが発生したとき

予め、このようなタイミングで報告を行うと決めておけば、迷う事なく報告ができますね。特にトラブルなどの発生時の対応は非常に重要です。トラブル対応はスピードが命と言われています。悪い報告はなかなか気がすすまないものですが、先送りにしたことで新たなトラブルが発生することも多いため、トラブルが発生した際は直ちに報告をするようにしましょう。

報告のポイント「認識の相違をなくす」

報告を行う際には、「上司との認識の相違をなくすこと」を意識しましょう。上司は「出した指示が正確に行われているか」、部下は「行った業務内容と上司の指示の意図に食い違いがないか」を確認し合うことで、無駄な作業の発生や食い違いを防ぐことができるようになりますよね。

特に上司が正確に状況を把握できれば、より正確な判断や意思決定ができるようになります。これが報連相の目的である「チームの業務の効率化・生産性のアップ」に繋がるのです。そのためには、作業の進捗状況や問題点などをこまめに、正確に伝えることが重要です。

報連相の「連絡」のコツ

報連相における「連絡」のコツ についてみていきましょう。仕事における連絡では、チーム内で情報共有することによりチームや仕事間に繋がりを生むことに意義があります。一丸となって効率的に仕事をする上で、情報共有は欠かせない要素であると言っても過言ではありません。では、どのように連絡をすると良いのでしょうか。そのコツは2つあります。

  • 正確な情報を、速やかに相手に伝える
  • 相手が分かりやすく情報を受け取れるように、ツールを活用する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

連絡のコツ①「正確な情報を速やかに相手に伝える」

連絡の最も重要なコツは「正確な情報を、速やかに相手に伝えること 」です。以下の手順で連絡を行うと効率的です。

  1. 連絡すべき内容について正しい情報を把握する
  2. それを踏まえて、今後どうすべきかを明確にする
  3. 迅速かつ簡潔に、チーム内に共有する

事実確認のしやすい、正確な情報を伝えることが大切です。逆に、曖昧な表現や個人の意見(主観)の入り混じった情報は、事実確認がしづらいため生産性を下げてしまいます。まず、事実を端的に伝えるようにしましょう。

連絡のコツ②「ツールを活用する」

もう1つの連絡のコツは、「相手が分かりやすく情報を受け取れるようにツールを活用すること」です。一般的に、連絡は口頭や電話で行われることが多いですよね。しかし、その内容や重要度、伝える相手の多さによっては時間がかかりすぎるため非効率です。

例えば、チーム全体に向けた周知の場合は文書で共有したり、重要度が高い場合は発信後にミーティングを開く、などの方法があります。内容が複雑なら、図表やBefore Afterの比較を用いるなどの方法を用いるのも有効でしょう。慣れないうちはどう伝えていいか困惑する場合も多くあると思いますが、周知の方法も含めて上司に相談してみるのもよいでしょう。

連絡のポイント「共通認識を作る」

連絡を行う際には、「チーム内で情報共有をすることにより共通認識を作ること」を意識しましょう。これにより効率良く業務がこなせるようになり、生産性が大きく上がります。逆に、チーム内で情報共有ができていないと、認識のズレにより問題や非効率が発生し、その解決に更に時間がかかるという悪循環を生み出します。

こまめな情報共有ができるようになると、より有効な手段を考えたり、効率的な方法で業務を行うことができるようになりますよね。その結果、冒頭で述べたように生産性の向上につながるのです。そういった意識で連絡を行えるようになると、社会人としての評価も上がってきます。

報連相の「相談」のコツ

最後は報連相における「相談」のコツ についてみていきましょう。仕事における相談とは、業務上の問題があったときどう対応するべきかを上司に尋ねることです。仕事を進めるにあたり、マニュアルにない対応の必要に迫られたり、想定外の問題が発生したりする場合は珍しくありません。そういったときは上司に相談し、対応の質を均一化できるようにしましょう。そのために、具体的に何をすべきなのか。コツは以下の2点です。

  • 整理してから相談する
  • 事前に仮説を立て解決方法を提案する

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

相談のコツ①「整理してから相談する」

相談の最も重要なコツは「整理してから相談すること 」です。相談する際は、以下の3つのポイントを明確にした上で声をかけると有意義な相談になります。

  1. 現在どういった状況なのか
  2. 目指すところはどこなのか
  3. 現状に至るまでに試したことや経過など

上記3点が明確なら、相手も悩みの概要が理解しやすいはずです。できれば、上記を書き出してから相談に行くことをおすすめします。なぜなら、上司や先輩に伝えるための情報整理にも役立つほか、自分自身の頭の中を整理することもできるからです。

相談のコツ②「事前に仮説を立て解決方法を提案する」

相談のコツの2つ目は「事前に仮説を立て解決方法を提案すること」です。例えば、あなたが友人に「~で困ってるんだよね」とだけ言われた場合、どう返事をしますか?共感はできても、解決までの道筋を示すことは難しいのではないでしょうか。自分が問題や悩みの渦中にいるときはなかなか難しいかも知れませんが、「こういったり理由でうまく行ってないように思うので、こうしようと思っている」などと自分なりの仮説を合わせて伝えられると、相手も返答やアドバイスがしやすくなります。

仮説を立てるためには、正確な現状把握と課題解決思考が必要不可欠です。仮説を立てることを普段から意識することで、問題の発生が自己研鑽の機会にもなりますね。解決方法を相手に委ねるのではなく、自分はどう考えているのかという仮説も可能なら伝えるようにしましょう。「その方法で解決できそうか」「より効率的な方法はないか」という視点から、客観的なフィードバックが貰える可能性がより高くなります。

相談のポイント「問題解決できるように情報を伝える」

相談を行う際には、「上司が問題解決できるように情報を伝えること」を意識しましょう。包み隠さず情報を伝えて、有意義で効率的な相談になるよう心掛ければ、生産性の高い相談になります。業務上、一人の力では判断・解決できない場面に遭遇することは誰しもあることです。そういったときは遠慮しすぎず、上司や先輩に対処法やアドバイスを求めましょう。「三人寄れば文殊の知恵」という言葉もあるように、複数人で考えることは自分にはない発想やよりよい解決策に出会うきっかけにもなります。自分で考えることと同じくらい、周囲に相談し新たな視点を手に入れることも重要です。

実務的には、悩みを放置することが業務の進行遅延に繋がったり、当事者がメンタルヘルスに支障をきたしたりする可能性が考えられます。早めに相談したことで早期解決ができたケースは数多くありますので、遠慮せずに声をかけてみましょう。

まとめ

では、ここまでの内容のおさらいをしましょう。

意識的な「報連相」で、生産性も評価も上げよう

このコラムの重要ポイントを一言で表すと、「意識的な報連相で、チームの生産性も、自分の評価も上げよう」ということになります。そのためには、相手に伝わりやすい言い方で、正確に情報を伝達することが大切なポイントです。その大前提に立ったうえで報連相のコツをまとめると、以下のようになります。

  • 報告のコツ⇒「結果や結論を先に伝える」、「適切なタイミングで報告する」
  • 連絡のコツ⇒「正確な情報を速やかに相手に伝える」、「ツールを活用する」
  • 相談のコツ⇒「整理してから相談する」、「事前に仮説を立て解決方法を提案する」

特に、次の3つのポイントを意識して実践すると、上司に評価される報連相になります。

  • 報告によって「上司との認識の相違をなくす」
  • 連絡によって「チーム内で共通認識を作る」
  • 相談によって「上司が問題解決できるように情報を伝える」

逆に、上記の内容を意識できていない「曖昧な表現や個人の意見(主観)の入り混じった報連相」は、事実確認がしづらいため評価されません。また、相手の気持ちや立場に寄り添って、意識的に言葉の選択をすることも忘れないようにしましょう。報連相の内容自体が正しくても、伝え方やタイミング次第で評価されなかったり、叱られてしまうこともあります。そういったときにはテクニックだけではなく、「生産性を上げる」という目的に適う報連相ができているか内省してみると良いでしょう。

報連相のコツを身につけるために

報連相のコツやポイントを身につけるためには、日々の報連相を意識的に行うことが大事です。また、職場にはきっと多くの報連相の名人達がいると思います。そういった人たちの伝え方や考え方、コミュニケーションの仕方をよく観察してみると、きっと得られるものがあるはずです。

「どうしても報連相のコツがつかめない」「すぐに報連相の能力を身につけたい」という方は、当スクールにご相談ください。体系的に学べるので、実践的な「上司からの評価を上げる報連相のコツ」が身につけられますよ。

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