プライベートでもビジネスでも、お礼のメールを書く機会は少なくないでしょう。そんな時、真っ白な画面を見つめると、「なに」を「どう」書けばいいのか、悩む方も多いのではないでしょうか。特に目上の方へのメールは難しいですよね。
お礼のメールを送るとき、あなたは”件名”に何を書きますか? 短い行ではありますが、実はこの「件名」はとても重要です。メールの件名は受信者が最初に見る文章で、つまり第一印象です。ここで印象があらかた決まってしまいます。件名がまずいと、最悪の場合メールに気づいてすらもらえないかもしれません。
件名が決まってしまえば本文もなめらかに書き始められます。多数のメールの中でも一目で感謝が伝わり、件名を見て「気になるからすぐ読みたい!」そう思ってもらえるような文章をあなたも書いてみませんか? 好感度が上がる方法をご紹介します!
メールを送る場合、マナーとして件名は入れた方が良いです。「でも、どんなことに気をつければいいの?」と頭を抱えている方はぜひ3つのコツを試してみてください。
3つのコツに共通する核心なのですが、お礼のメールは「感謝の意が伝わればいい」のです。極端な話をすれば、適切な件名がつけられていればメール本文を読んでもらえなくても件名が目に入るだけで目的は達成されます。
一般的に、件名の文字数は約70~80文字くらいが推奨されています。しかし、受信者側がメールを確認する電子機器は様々。画面で1行に表示される文字数はPCでは約25文字、スマートフォンは約20文字、携帯電話は約15文字程度と違いがあります。
件名:「今日は和食レストラン○×△□で大変豪華ディナーをご馳走いただきまことにありがとうございました!例の件はよろしく取り計らわせていただきます!」
あまりに長すぎる件名は一目では要件が把握できず、受信者側も「読むの嫌だな…」そんな気持ちになってしまいます。それでは、こんな短い件名はどうでしょうか?
件名:「今日はありがとう!」
少し素っ気なく、何に対しての「ありがとう」なのかが分かりにくいですね。もう少し具体的にします。
件名:「今日はご馳走いただきありがとう!」
説明をされていなくても受信者は「食事をご馳走した」件のお礼であることを推察できます。「(日時)+(内容)+(感謝)」件名は各電子機器に合わせた15~25文字程度でまとめると見やすくなります。ぜひ試してみてください。
「私の受信メール、迷惑メールばかりなんだよね…」という方も多いと思います。お礼のメールは件名を見てもらえた時点で目的はほぼ達成されているのですが、その件名が他のスパムに埋もれて目に届かないようではいけません。せっかく送ったメールが見落とされないよう、工夫も大切です。
件名の例文:「【○○より】今日はご馳走いただきありがとう!」
件名の例文:「【ふぐちり】今日はご馳走いただきありがとう!」
【】を件名に入れると目に留まりやすいです。中身に気を配ればビジネスでも同様に使えます。
件名の例文:「【○様案件】仕様変更へのご対応ありがとうございました」
※スパムメールについて:ウイルスセキュリティが強いものは、件名に【SPAM】という表示がついてしまったり、迷惑メールのフォルダに振り分けられてしまったりする事例があります。『 △▼△▼…』など、文字記号で作成した「飾り罫線」の利用はなるべく避けましょう。
お礼は早ければ早いほどいいものです。メールは時と場所を選ばず、ネット環境が整っていれば送れます。そのため、お礼のメールはなるべく翌日までに送ったほうが良いです。件名や本文で悩みすぎず、簡潔で良いので早めに送信することを心がけましょう。
また、メールは誰もが一日中確認しているわけではありません。開いたとしてもわずか数分のこと。記憶の新鮮なうちにメールが届けば、件名が目に入っただけで簡単にそれと分かってもらえるでしょう。
多忙な受信者であれば、届いたことに気がつかないこともあります。早朝や就寝時間を避けて早めに送りましょう。
コツを理解したところで、具体的なケースを見ていきましょう。まずは身近な親戚への挨拶から。
親戚に対してのお礼なので、それほど堅いメールの必要はないと思います。より親しみを込めて感謝を伝えましょう。贈り物を配達などで受け取った場合は、早急に受け取った連絡と感謝を伝えましょう。
親戚から出産祝い・七五三祝い・入学祝いなど、様々なお祝いをもらう機会ががあると思います。そういった場合、どのように感謝を伝えれば良いのでしょうか?例文をご紹介したいと思います。
件名の例文:「七五三祝いありがとうございました!」
件名の例文:「【入学祝いのお礼】お義母さんから受け取りました」
現金でお祝いをいただいた場合に「お年玉を1万円もいただきありがとうございました」など金額を入れるのはNG。親戚が家族内に内緒で贈った場合もありますので伏せましょう。
地域により異なりますが、お中元は7月初旬~8月15日頃といわれています。
件名の例文:「お中元を頂戴しました!ありがとうございます」
件名の例文:「お心づくしの品、ありがとうございます」
いつもお世話になっている方への感謝の贈り物がお中元。相手のお気遣いに対して感謝を伝えたいですね。
お歳暮は1年の感謝を込めたご挨拶です。12月初旬~12月15日頃といわれています。
件名の例文:「美味しそうな蟹をありがとうございます」
件名の例文:「お歳暮が届きました!ありがとうございます」
忙しい時期なので、親戚も送ったことをすっかり忘れている場合も。届いた連絡と、自分も1年の感謝を伝えましょう。
※会社からが届いた場合、贈ったことをオープンにしていない場合があるので、件名に“お歳暮”や“お中元”という言葉をあえて入れない方が良いです。
「件名に誤字や失礼な言葉がないか気をつけないと…」ついつい緊張してしまう上司へのメール。どのように書けば喜んでもらえるのでしょうか? 飲み会・会議・研修など様々な場合がありますので、それぞれで即使えるお礼の件名の書き方をご紹介します!
翌日、会社で直接会った際に感謝を伝えるのが一番ですが、伝えることができない場合にメールで感謝の気持ちを伝えましょう。飲み会の時の状況により、上司への感謝の伝え方は異なります。
件名の例文:「昨日は飲み会、ご馳走様でした!」
件名に「ご馳走様」を入れるだけで、要件が伝わります。飲み会が、上司おすすめのお店だった場合は、本文に「美味しかったです」など、お店についての感想を伝えると喜ばれます。件名に押し出しても良いでしょう。
件名の例文:「昨日のしゃぶしゃぶ美味しかったです!」
この場合は本文でしっかりお礼を書いてください。
件名の例文:「昨日は飲み会でありがとうございました」
この例文のポイントは助詞の「で」にあります。飲み会のお礼ではあるのですが、本当に感謝すべきことは他にあることをこの1文字で表すことができます。本文では飲み会で上司からもらったアドバイスへの感謝、お叱りを受けた場合は、反省していること、改善したいことを伝えましょう。「今後、さらに精進していきたいと思います。ご指導ご鞭撻をお願いします」など前向きな言葉を添えたいですね。
件名でより具体的に書くなら以下のようになるでしょう。
件名の例文:「飲み会での助言をありがとうございました」
資料作成に協力してもらったり、会議や研修指導でお世話になった時は、終了後にお礼のメールを送ってみるのはいかがでしょうか。
件名の例文:「お時間いただき、ありがとうございました」
件名の例文:「【○○○会議の件】お礼」
件名の例文:「○月○日研修のお礼」
上司は多忙です。メールに気がつかないこともあるので、特にわかりやすい件名が必要です。様々な会議や研修指導を行っているので、こうしたお礼の場合は、どの会議か、○月○日いつの研修なのか、わかりやすく伝えましょう。ここでもポイントは「件名だけでも伝わる」ように書くことです。
自分が担当をしているお客様へ訪問する際、上司に同行してもらったお礼のメールを送る際に使える書き方をご紹介します。
件名の例文:「本日はご同行いただきありがとうござました」
件名の例文:「【○○○株式会社 同行の件】お礼」
上司とお客様との会話を間近で見聞きするのはとても勉強になります。件名だけではなく、本文で時間を割いてもったことへの感謝、どのようなことが勉強になったのかを具体的に伝え、文末は「今後ともよろしくお願いいたします」など一言を添えると印象が上がります。
業種により、取引先との交流も電話やメールだけの場合もあるかと思います。顔が見えないからこそ、件名では人柄を感じさせる感謝の言葉を伝えたいですね。
取引先へのメールでは、件名の前後に会社名を入れることで目に留まりやすくなります。取引先へのメールはなるべく件名で自分が誰なのかを名乗り、要件を的確に伝えることがおすすめです。
業種により、様々なシーンがありますが、お礼メールはビジネスマナーのひとつです。
件名の例文「【株式会社○○ ○○○です】祝辞のお礼」
件名の例文:「【開店祝いお礼】素敵な胡蝶蘭をありがとうございます」
ただの業務連絡にならないように、心からの感謝を伝えると喜んでもらえると思います。
ハガキや手紙でのお礼を郵送するのも喜ばれると思いますが、メールは即座に感謝を伝えることができるのが魅力です。そのため、何日も経った後に届くと「いまさらなんだろう?」と思われてしまうため、訪問後のお礼メールは早急に送りましょう。
件名の例文:「【○○株式会社】ご面談ありがとうございました」
件名の例文:「本日のご面談のお礼【○○株式会社】」
お世話になったお客様でも遠方で直接挨拶ができず、そのまま退職になってしまうことがあります。退職の2~3日前までにはメールを送りましょう。
件名の例文:「【退職のご挨拶】株式会社○○○ ○○」
社外の方にとっては突然のことなので、「えっ!○○会社の○○さん、辞めちゃうの!?」退職の挨拶は大抵驚かせてしまいます。他のメールにまぎれて気がつくのが遅れるなどが起こらないよう、【】など見やすさの工夫は必要です。この場合に限っては、件名で必ずしもお礼であることを明記しなくても構いません。本文は、お客様への感謝、後任についても触れ、取引先の迷惑にならないことを第一に、ご挨拶をしましょう。
メールはアドレスさえ知っていれば、指先ひとつで気持ちを伝えられる気軽さがあります。そのため、私も連絡手段として1日に何件もメールを送っていますが、「お礼」ともなると極端に数が減ります。お礼メールはもちろん、強制されるものではなく、送るかどうかは、気持ち次第です。ですが、受け取る側になれば、大量のメールの中からたったひとつ、「ありがとう」を見つけると心が温かくなります。メールの「件名」はそれだけ重要な意味を持っています。相手の笑顔を思い浮かべながら、あなたも心を込めた一行の感謝を伝えてみませんか?