上司に評価される社内文書の書き方【報告書・通知書】

入社後に任されることの多い仕事の一つが社内文書の作成です。日報や業務日誌を始め、報告書、通知書、議事録などなど…社内文書の作成に追われていたり、苦手意識を持っていたりする人も多いのではないでしょうか。

今回のコラムでは、「毎回上司にダメ出しをされてしまう」「評価される社内文書の作り方を知りたい」という人に向けて上司に評価される社内文書の作成方法を解説します。

前半では社内文書作成の6つの基礎ルールを、後半では報告書や通知書を作成する際のポイントを3つずつ紹介します。上司に評価してもらうために、まずは社内文書の書き方の基礎からおさらいしましょう。

社内文書作成の6つの基礎

社内文書の作成において、絶対に外してはいけないポイントがあります。
それは、以下の6点です。

  1. 発信日
  2. 宛名
  3. 発信者
  4. 件名(標題)
  5. 本文/結び
  6. 担当者名

なぜこの6点が重要なのでしょうか?それぞれの項目の役割と重要性を一つずつ見ていきましょう。

発信日

社内文書には必ず発信日を明記しましょう。作成日ではなく発信日という点がポイントです。発信日を明記することで、情報が更新された際にどちらの文書を優先すべきかを明確できるというメリットがあります。誤って作成日を記載しないように気をつけましょう。

また次のように、ビジネス文書の日付に略称を用いたり簡易化した書き方をしたりするのは避けましょう

  • R2.09.28
  • 02/09/28
  • 9月28日

西暦/和暦の選択は慣例に従いますが、「2020年9月28日」のように略さず記載しましょう。

宛名

社内文書の作成時は誰に向けた文書なのか(受信者は誰なのか)を明確にする必要があります。
個人に向けた場合は「○○様」「○○殿」と記載し、受信者が多数の場合は「各位」という表現を用います。例えば社員全員に発信する場合は「社員各位」という書き方をします。

対象者を明確にすることで、受信者側は自分に必要な情報であることを認識しやすくなりますね。

発信者名

宛名の下には右寄せで文書の発信者名(あなたの名前)を記載しましょう。
社内文書には、部署名、役職(なければ記載の必要はありません)、氏名(フルネーム)を記載します。

件名(標題)

次いで、文書の件名(標題)を記載しましょう。
何を通知する文書なのかがすぐ分かるように、件名は多くの場合中央寄せ大文字で目立たせます。件名を読んだだけで文書の概要が掴めるように、簡潔な表現が求められます。

例えば、発注した備品の到着が遅延する旨の連絡を受け、その内容を社内文書で通知することになった場合の件名を考えてみましょう。

  •  備品(商品名)の納期が2週間遅れると連絡を受けました
  •  備品の納期遅れについて

どちらが読みやすいかは一目瞭然ですよね。
件名は簡潔に概要を伝えるためものにし、具体的な内容や詳細は本文に記載しましょう。

本文/結び

本文には必要な情報を漏らさず記載しましょう。ただし同時に可能な限り読みやすく簡潔にまとめる必要もあります。

分かりやすい文書作成をするテクニックとして以下のようなものがあります。

  • 長文を避ける
  • 情報の取捨選択をし、必要な情報だけを載せる
  • 箇条書きを用いる
  • 詳細や補足資料が必要な場合は添付資料を使う

文書の内容に応じて、うまく使い分けましょう。

また「結び」として、本文の文末に「以上」と記載し締めくくる必要があります。

担当者名

最後に、内容についての問い合わせ先を明記しましょう。
問い合わせ先の内線番号などを書いておくことで、受信者側が疑問を持った時にすぐ解決できるようになります。上司から社内文書の作成を依頼されたときは、あわせて「どこに問い合わせれば詳細の確認ができるのか」ということを確認しましょう。

ここまでは社内文書作成の基礎をお伝えしました。前述した6つのポイントを予めテンプレートに組み込んでおけば文書作成の際に抜け漏れがなくなるのでおすすめですよ。

続いて、比較的作成の機会が多い報告書、通知書を例にあげ、それぞれの作成時のコツをお伝えします。

なお、議事録所の作成にお困りの方は以下の記事をぜひご覧ください!
関連記事「【社会人の基本スキル】議事録の書き方のコツと7つのポイント」

報告書の作成のポイント

報告書は情報提供のために作成される社内文書です。入社後に日報や業務日誌を作成したことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?それも立派な報告書です。トラブル対応などに際して作成されることもあります。

一般的に報告書は、多くともA4の用紙3枚以内で作成します。(事前に指定やテンプレートがある場合はそれに従いましょう)

報告書の作成のポイントは、次の3点です。

何のための報告書なのか考える

報告書作成の1つめのポイントは何のための報告書なのか考えること。受信者側が何のために使う報告書なのかによって書き方も異なるため、求められる情報とは何かを考えましょう。

例えば、日報の場合は売上などの数字の根拠や仮設を、研修の参加報告なら学びと実践する内容を記載すると良いですね。
また、上司の指示を仰ぐ場合は状況を可能な限り詳細に伝えましょう。これによって上司がより正確な采配ができるようになるからです。

構成は「標題・要旨・詳細」

報告書作成の2つめのポイントは構成を工夫することです。具体的には「標題・要旨・詳細」という順序での記述をおすすめします。

情報伝達のための文書に求められるのはわかりやすさです。見出し→あらすじ→詳細と階層を分けることで、受信者側も必要な情報を引き出しやすくなります。特に、複数の事項を伝達する必要がある場合は、どうしても冗長になりがちです。伝達すべき内容をカテゴライズし、段落に分けて記述するとすっきり読みやすくなりますよ。

「事実」と「感想」を区別する

報告書作成の最後のポイントは、「事実」と「感想」を区別することです。

繰り返しになりますが報告書は情報提供のための文書です。受信者側に正確に情報を伝えるために、事実と感想は区別する必要があります。

例えばセミナーなどに参加した際に報告書を求められた場合は、講師の方が仰っていたことと自分が感じたことを混同してはいけません。トラブル対応時や連絡事項の全体周知などの場合には、この考え方が得に重要になります。

報告書の内容を見て上司は次の指示を検討します。上司が的確な指示を出せるように、正確な情報を提供することが求められます。

また、文書ではなく口頭で行う情報提供に「報連相」があります。
報連相でお困りの方はこの記事がおすすめです。
関連記事「【社会人の基本スキル】報連相のコツとポイント」

通知書の作成のポイント

通知書とは、社内向けの情報共有のために作成される社内文書です。

例えば次のような場合に作成されます。

  • 行事や会議の開催通知
  • 健康診断の実施
  • 人事制度変更
  • 組織や部門の改廃のお知らせ など

通知書作成のポイントを見ていきましょう。

以前の通知書を確認する

通知書作成の1つ目のポイントは、以前の通知書を確認することです。

通知書は社内で定期的に発行されるため、通知書のテンプレートが用意されている場合が殆どです。書式を流用したほうが早く作成できますね。
もしもテンプレートがない場合には、インターネットで検索するのも手です。他社の文例やネットのテンプレート等を参考にすれば、迅速かつ必要な情報を書き漏らすことはなく仕上げることができます。

内容は簡潔かつ正確に

通知書作成の2つ目のポイントは、内容を簡潔かつ正確に記すことです。通知書は正確な内容が求められる文書であるため「いつ、誰が、誰に対して、何を」の記載漏れがあると意味をなさなくなってしまうからです。

特にイベントの開催通知などは、日時や場所、参加対象者に誤りがあると実務に支障が出るので要注意です。前述のようにテンプレートを流用する場合は日付の書き換えミスが発生しやすいので確認を怠らないようにしましょう。

日程には余裕を持って

通知書作成の最後のポイントは、日程に余裕を持って発行することです。
イベントの周知が遅れてしまうと、他のイベントやアポと重複してしまう可能性があるからです。例えば就業直前に通知があっても、殆どの人は対応できませんよね。

作成を頼まれた場合は「いつまでに作成する必要がありますか?」と必ず確認しましょう。その上で、当日中に仕上げ周知までできるとベストですね。
日程調整の都合や変更の可能性も考えて、余裕をもって作成しましょう。

まとめ

この記事で紹介した、社内文書作成のポイントをおさらいしましょう。

読む人に寄り添った文章を

様々なポイントやコツを紹介しましたが、最も重要なのは文書は受信者(読む人)のために作成されるものであるということです。文書の作成すること自体が目的ではありません。受信者側に行動してもらうことが目的で、そのための手段が社内文書の作成なのです。
目的の達成のためには、読む人に寄り添う文章の作成が求められます。

上司から評価される文書とは

前述の通り、社内文書作成の目的は受信者に行動してもらうことにあります。伝える能力とは、いわば相手の目線に合わせて説明する能力のこと。相手のことを考えて、一緒に行動できる方法を模索する能力はマネジメントにも大いに役立ちます。つまり、良い社内文書作成能力があると評価されることは、上司に「できる人」と評価される第一歩なのです。

文書作成スキルにお困りの方は…

社内文書以外にも、社外文書やビジネスメール、広報活動など、社会人は多くの文書作成能力が求められます。ビジネスマナーを網羅することはあなたのキャリアの礎となり、ゆくゆくあなた自身を助けるスキルになります。

ビジネスマナーやビジネススキルでお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
noaは、一人ひとりの想いや夢に真摯に寄り添い、徹底してサポートいたします。