SNSやメールなど、気持ちを伝え合う手段は増えましたが、形にして残せるのは手紙と“ハガキ”の持ち味。ビジネスでも紙のハガキでお礼状を書く必要のあるシーンはまだまだ多いでしょう。ポストへ出す手間などは掛かりますが、受け取った方は喜んでくださり、印象が上がるのです。形式的な文章は苦手な方も多いと思いますが、コツを掴めば簡単にお礼状ハガキが作れます! すぐ使える多数の例文/文例つきで解説しますので、ぜひ実践してみてください。
目次
ビジネスのお礼状ハガキの基本的な構成は次のようになります。
それでは、順番にご紹介します。
手紙の頭語と結語は基本的にセットで使います。いきなり本文に行かず、相手への尊敬を込めて、一番最初に頭語を、最後に結語を入れます。
場面 | 頭語 | 結語 |
---|---|---|
一般的な場合 | 拝啓 | 敬具 |
目上の方の場合 | 謹啓 | 敬白 |
急ぎの場合 | 急啓 | 草々(または敬具) |
略式の場合 | 前略 | 草々(または不一、不具) |
返信の場合 | 拝復 | 敬具(または謹言、拝答) |
お礼状ハガキを送る季節に合わせ、『~の候(~のみぎり)』をつけて挨拶するのがポイントです。四季折々の日本ならではの挨拶文は多くありますが、そのなかで一部をご紹介します!
月 | 季節の挨拶文 |
---|---|
1月 | 新春の候・初春の候・寒中の候 |
2月 | 立春の候・梅花の候・余寒の候 |
3月 | 早春の候・春色の候・春分の候 |
4月 | 陽春の候・桜花の候・晩春の候 |
5月 | 新緑の候・薫風の候・青葉の候 |
6月 | 初夏の候・梅雨の候・向夏の候 |
7月 | 盛夏の候・暑中の候・大暑の候 |
8月 | 晩夏の候・残暑の候・立秋の候 |
9月 | 初秋の候・秋涼の候・秋色の候 |
10月 | 秋晴の候・紅葉の候・秋冷の候 |
11月 | 落葉の候・晩秋の候・霜秋の候 |
12月 | 初冬の候・師走の候・寒冷の候 |
日頃のご愛顧への感謝の前に、相手の繁栄や健康を喜ぶ文が入ります。ビジネスでは下記のように使います。
※ご隆盛=大いに栄え、経済的に豊かなこと。他にも「ご盛栄」、「ご繫栄」などがあります。
お礼状などビジネスで使うハガキでは文頭だけではなく、文末も大切です。お礼状ハガキの結びの例文/文例を2つ紹介します。
長いお付き合いを願いながら一言。相手に気持ちよく読んでもらえるよう結びたいですね。直接会うべきところを取り急ぎお礼状ハガキで済ませるような場合は、「まずは略儀ながら書中をもちましてお礼申し上げます」といった一文を入れましょう。
ご厚意をうけた場合すぐにお礼状を出すことが重要です。ハガキは素早く送れることが大きなメリットとなります。とはいえ郵便のため届くまでに時間が掛かるので、ますますハガキを出すのは早ければ早いほど良いです。できれば当日か翌日、遅くとも1週間以内にポストに投函しましょう。
打ち合わせや会議など、ビジネスで訪問した後に出すお礼状ハガキの例文/文例です。先方に時間を割いていただいたことへの感謝をはじめに伝えると丁寧です。
※会ったばかりの相手の場合は時候・季節の挨拶を省きます。
地域により異なりますが、お中元は7月初旬~8月15日頃です。お礼状ハガキに季節の挨拶を入れる場合は、「暑中」や「残暑」などお中元のタイミングにあわせて書きます。
※時下=最近、いまという意味。『時下~』を使用する場合、時候や季節の挨拶は必要ありません。
お歳暮が贈られるのは、12月初旬~12月15日頃。季節の挨拶は他に『師走の候』など。こちらもお礼状をハガキで出すときは、お歳暮を受け取ったタイミングに合わせると良いと思います。
※「歳末の候」=12月下旬のこと。お歳暮にぜひとも使いたい挨拶です。
お礼状に限らず、ハガキの宛名は縦書きで書きます。ビジネスでも横書きを使い慣れているこの頃なので、特に「ハガキの宛名を書くのが苦手」という方は多いのではないでしょうか。宛名の書き方の順番は、
になります。次に、基本的なビジネスでの宛名の書き方をご紹介します!
「“山田社長様”?それとも“社長 山田様”?」一度は悩まれた方もいるのではないでしょうか? ビジネスの宛名で一番間違えやすいのは、この肩書きの部分だと思います。ハガキに限らず、メールを送る場合も注意しましょう。
※役職に「様」はつかないので要注意です。
ビジネスでは多数のお礼状ハガキを出さなければならないことも多いでしょう。「量が多くて手書きをするのが大変!」という場合のために、エクセルとワードを使ったハガキの差し込み印刷をご紹介します。
ワードでハガキ印刷ができるように、あらかじめアドレス帳を作っておきます。宛名に入れる文章として「通し番号・名前・郵便番号・住所1・住所2・会社名・部署名」を入力します。役職は名前の前に入れておくと良いです。
お礼を言われて迷惑な方はいないと思います。特にビジネスで、これから長い付き合いを考えている方へは、手書きで素直なお礼・感謝を伝えておくことは決して無駄にはなりません。例文/文例は紹介しましたが、できればあなたらしい言葉をプラスした一枚をぜひ書いてみてください。ポストに入れる瞬間の温かな気持ちは特別ですし、きっと想いは伝わります!素敵なお礼状ハガキを書いてくださいね。
こうしたビジネスマナーを一通り習得しておけば社会人として大きな武器になります。この機会に体系的に学んでみたい方には以下の講座もおすすめです!