議事録の作成は、新入社員が入社後に任されることの多い仕事の一つです。
しかし、議事録の書き方について、体系立てて教えてもらえる機会はそう多くありません。そのため、議事録を始めとする社内文書作成業務に苦手意識を持っている方も少なくないのではないでしょうか。
今回のコラムでは、そんな方のために、議事録の書き方のコツや、押さえるべきポイントをお伝えします。上司に評価される議事録の書き方のコツとは?をテーマにしました。このコラムで一緒に学んでいきましょう。
目次
議事録の書き方のコツの具体例を見る前に、そもそも議事録とはなにか、というところをおさらいしましょう。辞書には、次のようにあります。
つまり議事録とは、会議の内容やプロセス、決定事項の記録ということですね。しかし、単なる会議メモと議事録は決定的に異なります。その理由は目的の違いにあります。
会議メモは、自分が会議の内容や、それを踏まえて自分が次に取り組むべき仕事などの備忘のために取ることがほとんどですよね。
一方、議事録は会議に参加した、もしくは出席しなかった関係者たちと情報共有を行うためのものです。会議終了後はもちろん、後に、会議での意思決定が適切に行われたかを証明するために使用されることもあるのです。例えば、株主総会や取締役会では議事録の作成が法律で義務付けられています。意外に思われるかもしれませんが、時として議事録とはそれほど重要なものなのです。地味に見えてビジネスの遂行に欠かせない議事録作成のスキルが高いと思われることは、上司からの評価にも直結し得るでしょう。
では、どうすれば評価される議事録が作成できるのでしょうか?良い議事録を作成するために押さえるべき書き方の7つのポイント・コツをご紹介します。
議事録の書き方を学ぶ上で特に重要なポイントを7つに絞りました。ご自身が議事録を作成したときのことを思い出しながら、ひとつずつ振り返ってみましょう。これらのポイントを網羅しコツを押さえることで、確実にレベルアップできますよ。
一般的に、会議を行う目的は、以下の3点のいずれかと言われています。
当然、目的に応じて記録の取り方は異なります。会議の目的が明確であれば、どこが記録の要点か見極めやすくなりますよね。記録を取る前に、会議の目的とゴール=何をするための時間なのかの理解を深めておきましょう。
もし目的がわからない、または不明瞭な場合は、事前に会議の目的を議長に確認したり、アジェンダや補足資料がある場合は事前にしっかり目を通しておいたりすることがオススメです。目的を明確にした上で、会議に参加するのが明瞭な議事録を書くコツです。
前項で会議には必ず目的があるとお伝えしました。そのヒントになるのが、以下の10項目です。議事録を取る際は必ず以下の項目を網羅するようにするのがコツです。
上記は一つでも抜け漏れがあると内容が不明瞭になることがあります。例えば、企画のキックオフ前後では当然論じることが異なります。事前に何かを決める会議なのか?それともプロジェクトの方向性を確認・修正する会議なのか?はタイトルや日付で確認することができますよね。ファイルを開いたり読み込んだりしなくても内容が分かる工夫をしておくのが、時短のためにとても重要なコツです。
上記の10項目は、議事録のテンプレートなどに入れ込んでおくことで記載漏れが防ぐことができます。もし未実装の項目があれば、事前に追加しておいてはいかがでしょうか。
「記録を漏らさず取る」は当たり前のようですが、議事録の書き方で最も重要なポイントのひとつです。一部の発言が切り取られている議事録は、意思決定のプロセスの確認をする際に有用とは言えません。
現場の意見や顧客の声でプロジェクトの進行方向が修正されるのは珍しいことではありません。議論がひとつ先のフェーズに進んだときは、「なぜ(なにがきっかけで)そうなったのか」を合わせて記載すると良いでしょう。とはいえ、発言を一字一句記録するのは難しいもの。普段から要点を押さえてメモを取る習慣作りに意識的に取り組んでおくのが、議事録作成の際に遺漏なく記録を取るコツです。
前述の「記録は漏らさず取る」の項とも共通する内容になりますが、不明点があった場合、そこをスルーしてしまうと特定の話題の議論の記録に穴を開けてしまうことになりかねません。不明点がある場合は必ず質問し、クリアにしましょう。とはいえ、「開くのが恥ずかしい」「つまらないことを質問するのは申し訳ない」という気持ちも分かります。
そんなときにオススメな質問フレーズ例が2つあります。
この聞き方をすれば、会議の流れを遮ることなく不明点を明らかにできるほか、参加者の理解度の確認もできます。何を質問するかと同じくらい、どう質問するのかも重要です。困ったときは、上記のフレーズをぜひ使ってみてくださいね。
5W2Hを意識して議事録を作るのが分かりやすい書き方のコツです。
特に「誰が」「いつまでに」「いくらで」はビジネスにおいて重要な情報です。会議での決定事項や共有情報をまとめる際に欠かせない項目ですので、会議を前に進める、または方向性を変える意見や質問が出た際は、特に注意深くメモを取りましょう。
議事録は必ずしも時系列である必要はありません。
書き方のテンプレート例として、「会議の目的は~~。会議の結果、~~に決まった。なぜなら~~」という構成にすれば、必要な情報にすぐにアクセスできる議事録になりますよね。
特にブレストを行う会議の場合、結論に到着するまでに様々な議論や仮設を立て検証するため、結論や着地が分かりづらくなることも少なくありません。だらだらした文章は目当ての情報がどこにあるのかわかりづらくなりがちです。読みづらい記録で評価されることはありませんよね。そういった書き方にならないように、議事録作成の際には改めて目的や結論を確認し、必要な情報がどこにあるのか常に意識しましょう。
情報共有は早ければ早いほど良いです。議事録は会議後24時間以内に仕上げられるとベスト。せっかく有意義な会議に参加しても、日常の業務をこなすうちに、自分自身もその内容を忘れてしまいますよね。可能な限り早いうちにアウトプットすることが、正確な議事録を作成する最大のコツでもあります。
会議の内容や中身の濃さにもよりますが、議事録の作成にかかる時間は概ね30~60分ほどと言われています。最初のうちは、1時間以内に終わらせることを目標に議事録作成に取り組むと良いでしょう。但し、早さを重視するあまり雑になってはいけません。冒頭で述べたとおり、議事録作成は読み手に正確な情報を分かりやすく伝えるための仕事です。読みやすいレイアウトや色遣いを工夫しましょう。
良い議事録の書き方には多くのコツがあることがご理解いただけたかと思います。そうしたポイントをしっかり踏まえた優れた議事録の書き方をマスターするにはどうしたら良いのでしょうか?
良い議事録かどうかを判断されるポイントを3つに絞るなら、以下のようになるでしょう。
序文で述べたとおり、議事録とは関係者たちと情報共有を行うための記録です。要するに、読み手がいる前提で作成されるべき書類なのです。 読み手(受け手)の気持ちを想像できたかどうかが、仕事の成否を分けると言っても過言ではないでしょう。
不慣れなうちは、出席者に回覧するのもよいでしょう。完成した議事録を添削してもらうことで、自分以外の人の目線に気づくことができるからです。実践してフィードバックをもらうことが、議事録の書き方が上手くなるコツなのです。
議事録を作る立場になったときに、多くの人が「より注意深く会議内容を聞くようになった」と言います。ぶっつけ本番で議事録を作成するよりは、普段の会議でその練習をしておくのも良いでしょう。
わかりやすい議事録を作成することは、相手の気持ちに寄り添えるというコミュニケーションスキルを磨くことでもあると言えるでしょう。普段から熱心にメモを取る習慣や姿勢は、きっと上司からの評価につながります。
わかりやすい社内文書作成はビジネスマンの基礎スキルですよね。
前述した7つのポイントを押さえることで確実にレベルアップが狙えます。上司に評価されたいと思う人は、ぜひ実践してみてくださいね。
とはいえ、議事録を始めとする社内文書の書き方に、入念なフィードバックをしてもらった機会のある人はそう多くないはずです。効率的に学べるスクールで、学び練習することで活躍の場を更に広げるのも良いでしょう。
「具体的にどんなことが学べるの?」「議事録作成以外にも悩んでいることがある」という方は、お気軽にお問い合わせください。