働き方改革の進行やコロナ禍に伴い、最近ではWeb会議など、リモート・オンラインのプレゼンをする機会が増えてきたかと思います。対面でするプレゼンでさえ、スキルがないと難しい……と感じる方もいるでしょう。その上リモート・オンラインでのプレゼンとなると、実際に対面でするプレゼンとはまた違う緊張感がありますね。
リモート・オンラインでも対面でもプレゼンの内容に関しては大きな違いはありませんが、資料の作り方、環境などで違いが出てきます。その点も踏まえ、今回の記事ではリモート・オンラインでプレゼンをするコツを、様々なポイント別にご紹介して行きます。
目次
リモート・オンラインプレゼンで押さえるべきポイントは以下の3つに集約されます。
基本となることは対面のプレゼンと変わりません。しかし、リモート・オンラインでは相手の視界に入る内容や、耳に入る情報の環境が自分とは違う、ということを忘れないでください。「相手がプレゼンを聞きやすい環境」を作るというのは対面でももちろん必要ですが、リモート・オンラインの場合さらに気を付けるべきポイントが複数出てきます。
まずは、プレゼンの基本となる構成などについて説明して行きましょう。これはリモート・オンラインのプレゼンに限らず、通常のプレゼンでも基本となることです。プレゼン全体の構成がしっかりしていないと、聞きづらく、頭に入らないプレゼンになってしまいます。リモート・オンラインのプレゼンでは聞き手は特に意識を集中させづらいので、プレゼンをするにあたって、この基本はきちんと覚えておきましょう。
プレゼンをするにあたって、基本的な流れとしては次のようになります。
この3部構成によってプレゼンを構成するのを意識しましょう。「本文・本論」で一番伝えたいことを伝えられるようにまとめますが、そこに至るまでの「導入・序論」は欠かせないものです。そして最後に「まとめ・結論」を持って来ることにより「本文・本論」をさらに印象付けることができます。このような基本構成の手法を「SDS法」とも言います。
プレゼンを行う時に使われる手法はSDS方の他にもいくつかあります。中でも有名なのは「PREP法」ではないでしょうか。ここではPREP法について少し触れてみましょう。
ざっくりした説明にはなりますが、最初に結論を述べ、最後にまた結論を述べて相手に「結論」を印象付けるという方法になります。全てのプレゼンがPREP法が有効という訳ではありませんが、プレゼンをする相手・内容によってとても有効に使える方法となります。
それ以外にプレゼンの手法としては「DESC法」があります。次に「DESC法」を見てみましょう。
こうして文面にしてみると、「PREP法」とは相手への伝わり方が変わるかと思います。それぞれ適した場面があるので自分のプレゼン内容に合わせて活用してみて下さい。リモート・オンラインのプレゼンでは、どの手法を取る場合でも最初に結論に触れておくことをお勧めします。
リモート・オンラインでもプレゼンの基本は変わりません。しかし、気を付けるポイントはいくつもあります。ここからはリモート・オンラインのプレゼンで特に注意すべきポイントをご紹介して行きましょう。
リモート・オンラインプレゼンと対面のプレゼンの大きな違いは、「相手が目の前にいない」ということです。パソコンなどの画面を通してプレゼンをするため、対面とは色々と違いが生じてきます。そのため、様々なトラブルに対応できるように入念な準備が必要となります。ここからはポイント別に準備のコツをお伝えします。
対面のプレゼンではプロジェクターなどの大きな画面を使って行うことが多いですが、リモート・オンラインのプレゼンとなると自分も相手方も小さなパソコンの画面でやり取りをすることがほとんどです。そこで、小さな画面でも見やすい、相手が理解しやすい資料を作成しなくてはなりません。
対面のプレゼンでも資料の見やすさに気を付けるというのは当たり前のことですが、リモート・オンラインとなるとそれ以上に気を付けなくてはなりません。先にも述べたようにパソコン画面となるとプロジェクターとは大きく違いが出てきます。そのことを頭において、詰め込みすぎず、スライドは1枚につき1つのことをくっきり伝えるよう意識して資料作りをしてみましょう。
会議室などで行う対面プレゼンは、周りにも人が居るため緊張感があります。しかし、リモート・オンラインのプレゼンでは場合によっては自宅で行うこともあるため、緊張感がかなり薄れますね。そんなとき、単調な資料だとどうしても飽きてしまいます。
そこで、資料を作るときには動画を取り入れる、アニメーションを使うなど、「動きのある資料」を取り入れてみましょう。これは対面のプレゼンでも有効な手法ですが、リモート・オンラインのプレゼンではより有効な手法となります。
対面プレゼンでも、スムーズに行うために会場のセッティングが重要となります。リモート・オンラインのプレゼンにおいても同様に、「通信環境・作業環境」の見直しが重要です。ここを怠ってしまうとプレゼンに支障が出る可能性もあります。万全な準備はプレゼンの自信にもつながります。作業直前まで確認を怠らないようにしましょう。
リモート・オンラインでプレゼンをしている時に急にネットに不具合が生じてしまっては、せっかくのプレゼンも台無しになってしまいます。うまくリカバリーができたとしても、一度途切れてしまったりすると平常心が保てなくなってしまうでしょう。できるだけ完璧に近いプレゼンをするためにも、内容以外の面でミスがないようにしたいですね。できるだけ高品質な固定回線を使用し、可能であれば複数の接続手段を確保しておきましょう。
リモート・オンラインでのプレゼン時、どんなにはっきりと話してもマイクの音質が悪くては相手には伝わりません。資料をしっかり作って見やすくしていたとしても、相手は耳からの情報も取り入れようとしています。パソコンに内蔵のマイクでは聞き取りにくい場合もあるので、集音マイクやインカムなど、相手に声が伝わりやすいマイクを使用するようにしましょう。マイクは事前に必ず、使用するパソコンでチェックを行いボリュームを調整しておきます。
また、使用する通信アプリのアップデートの確認も忘れないでください。最新版を使用していないと通話に不具合が生じる可能性もあります。
次は実際にプレゼンを行う際、失敗しがちなポイントについて解説して行きましょう。もちろんこのポイントはリモート・オンラインプレゼンに限ったことでなく、対面のプレゼンでも気を付けるべきポイントです。リモート・オンラインだとさらに見落としやすいポイントなので注意して行きましょう。
リモート・オンラインプレゼンの場合、相手が目の前にいるわけではない上に、パソコン画面とずっと向き合って話していることがほとんどです。そのため、話しているとつい一方的に話すような、ただのスピーチになりがちです。もちろん自分の考え・提案を相手に伝えるのが必要ではありますが、プレゼンとなると相手の反応を確認しながら進めるべきです。
デュアルディスプレイなどでリモート・オンラインプレゼンを行っている場合などでもない限り、相手が視界に入れているのは「資料」がほとんどになります。対面のプレゼンであれば、プレゼンを行っている人の手振りや話し方も視界に入るので熱意が伝わりやすいのですが、リモート・オンラインプレゼンだとどうしても熱意が伝わりにくくなってしまいます。声だけで熱意を伝える、というのは非常に難しいことではありますが、いつも以上に意識的に抑揚を大きくつけ、ワイプでも目を惹くぐらい大げさにジェスチャーをするなど、少しでも熱意がより伝わるように意識してプレゼンしてみて下さい。
これは先に述べた「一方的になってしまう」と重複する点もありますが、リモート・オンラインのプレゼンの時、自分も資料に夢中になるあまり相手の反応を見落としてしまう場合があります。対面でのプレゼンであればその場で相手が手を挙げたりしてくれるとこちらも反応がしやすいですが、リモート・オンラインとなるとなかなか難しくなります。
なので、リモート・オンラインのプレゼンの場合、こまめに相手の反応をみて質疑応答の時間を取る、というのも一つのポイントとなります。双方向性を採り入れることで、相手も退屈せずにプレゼンに集中できるようになるでしょう。
今回の記事は対面でのプレゼンの経験がある方向けになってしまいましたが、読んでくださっている方の中には初めてのプレゼンがリモート・オンライン、という方も居るかもしれません。そういう方はまずプレゼンの基礎も学ばなくてはならないですね。
プレゼンの知識があまりないと、「相手の前で発表すればいいんでしょ?」ぐらいの気持ちで挑んでしまう方も居るかもしれません。しかし、場合にもよりますがプレゼンは大きな金額を動かすこともある大切なものです。プレゼンに関する知識が浅いまま、ただ単に発表をする、というのでは大切な商談もダメになってしまいますね。相手方にわかりやすいプレゼンをするためにも「プレゼン力」を高めるために勉強することが必要となります。
そこで必要となるのが、当スクールのようなビジネスに特化したスクールで基礎から学ぶということです。もちろん、独学でプレゼンについて書籍などで学ぶ、ということもできます。しかし、今回の記事でお伝えしたようにプレゼンには「相手」が居て、「相手に伝わるように」話すというのがとても重要になってきます。それを書籍だけで独学で学ぶ、というのには限度がありますね。
もちろん職場でもプレゼンについての指導があるとは思いますが、スクールではプレゼンに特化した講師から学ぶことができます。もし自分のプレゼンに自信がない、という方はプレゼン力を上げるためにも、是非当スクールでの受講を検討してみて下さいね。オンライン対面授業も実施しているので、本番そのままの本格的なリモート・オンラインのプレゼンの実践演習もできますよ!